③左右の動き

これまでの動き①②から立ち方や動き方のしくみが見えてきたかと思います。

まずは、リラックスした状態で真っ直ぐに立つということでしたよね。
この時に意識することは、屈筋ではなくて意識することが難しい伸筋を無理矢理に意識するということでした。この状態であれば多種多様な動きに反応できるということでした。
次に、動き方ですが自分軸(ここでは正中線)の動きでしたよね。
歩幅の中にこの軸があって意識しながら移動させるということでした。
これでかなり物理的な自分軸の強化に繋がったと思います。

さて、ここから今回の本題に入ります。

消えるという動きです。ここでは「虚」と表現して行きますね。

自分軸の存在で「虚」と「実」を使い分けて行きます。

自分軸を意識して動いている時が実、自分軸を消している時が虚・・・・となれば理解しやすいのかもしれませんが、そうではありません。ここが超難しいところでありながらもとても面白いところです。これが使い分けられるようになれば・・・・以前に説明したところの「右肩トントン」が完璧になると思います。しかも正面からしっかり面と向かってです。もう忍者にでもなってしまったかのような動きに相手もびっくりするかと思います。相手のその反応に自分もびっくりします。

さて、前置きはこれくらいにしてどう動くかですよね。

この回では左右の動きの中からこの「虚」と「実」の軸を知っていきましょう。
知って、分かって、やることで絶対にできるようになります。それが愛気道です。
これまでの動き①②で右足を前に出して足と足の間に軸があることが確認できましたよね。
その次に左右を入れ替えます。簡単にいうとそれで完成です。
右を出して左を出す。そしてまた右。これだけです。
軸をイメージしながらこの一連の動作を繰り返します。しかも丁寧に・・・。
すると分かってきます。左右入れ替えの瞬間、その一瞬に「虚」が存在します。
左右でくるくる惰性で行動しても見つかりません。
真っ直ぐ立って軸を意識して、右を前にしてゆっくり動いてその間中ずっと軸の移動を意識して軸を動かしていきます。ゆっくりゆっくりです。もっとゆっくりです。

次は相手から自分がどう見えているかを意識します。

実は相手にもこの軸は見えているんです。いや見せているんです。
相手は体の動きを追っていきます。そしてそのうち軸を追っていきます。軸を追わせて実は体は入れ替わっているこれが奥義です。本当に奥義です^^
相手は見た目の「実」を追っていきます。その間にこっそり左右の体(体勢)を入れ替えるのです。
このこっそりが「虚」です。

右肩トントンです。いえ、もうこれは忍者です。
いえいえ、愛気道です。真の合気道。